▶同じ言葉でも「伝わり方」はまったく違う
会議で自分の提案が5分で却下された。家に帰ってパートナーに愚痴ったら「それ、説明の仕方の問題じゃない?」と言われた。悔しいけど、一理ある。
こういうすれ違いの多くは、能力の差ではなくコミュニケーションスタイルの違いから生まれている。結論を先に欲しい人もいれば、背景から順に話してほしい人もいる。感情を共有したい人もいれば、事実だけ淡々と知りたい人もいる。
お互いのスタイルを理解するだけで、「なんでわかってくれないの」というストレスはかなり軽減されます。この記事ではよく使われる4タイプの分類を紹介しながら、それぞれとの関わり方のコツをまとめていきます。
▶ドライバータイプ — 結論ファースト、効率重視
「で、結局どうしたいの?」——ドライバータイプの人と話していると、この一言が飛んでくる。前置きが長いと途中でイライラし始めるし、雑談混じりの打ち合わせはそもそも苦手。会話に「目的」と「結論」を求めるタイプです。
このタイプに何かを伝えるなら、結論から。「結論として○○をお願いしたいのですが、理由は2つあります」のように、先にゴールを提示してから理由を補足する。回りくどい説明をすると、話の途中で別のことを始められたりするので要注意。
ドライバータイプは「冷たい」のではなく「効率的」なだけ。感情を無視しているわけではなく、目的達成を最優先にしているだけなんですよ。そう思うと、相手の反応にいちいち傷つかなくなります。
▶エクスプレッシブタイプ — 感情共有が原動力
チームのSlackで一番リアクション絵文字が多い人。飲み会の幹事をいつも引き受けてくれる人。ランチに誘ったら必ず「いいね!行こう!」と即レスしてくれる人。心当たりがあるなら、その人はたぶんエクスプレッシブタイプ。
感情の共有をとても大切にするタイプで、「楽しいね!」「それ、すごくわかる!」というリアクションがあると安心する。逆に無反応だと不安になってしまう。このタイプに何かを伝えたいなら、まず感情に寄り添うところから。「それは大変だったね」と共感を示してから本題に入ると、驚くほどスムーズに話が進みます。
会議での発言は時にまとまりがないように見えるのだけれど、場の空気を温め、チームのモチベーションを上げる力は本物。論理性が足りない部分は他のタイプが補えばいい。その人の役割は「場のエネルギーを上げること」にあります。
▶エミアブルタイプ — 調和を重んじるサポーター
ドライバーが「結論は?」と急かし、エクスプレッシブが「最高!」と盛り上がる横で、静かに全員のコーヒーを淹れている人。それがエミアブルタイプ。場の調和を第一に考え、対立を避け、みんなが気持ちよく過ごせることに気を配る。「私はどっちでもいいよ」が口癖。
意見を無理に引き出そうとしないのが、このタイプとの付き合い方のコツです。「本当はどう思う?」と問い詰めると、余計に殻にこもってしまう。安全な環境を作ったうえで、「もしよかったら聞かせてほしいんだけど」と柔らかく誘うのが効果的。
エミアブルタイプは自分の意見がないわけではありません。それを表明することで場の空気が壊れるのを恐れているだけ。一対一の落ち着いた場面だと、驚くほど鋭い意見が出てくることがあるんですよ。
▶アナリティカルタイプ — データと根拠で判断する
「売上が伸びてます!」と報告したら、「何%? 前月比? 前年比?」と返ってきた——アナリティカルタイプとの会話は、こんな感じで始まることが多い。感覚やノリではなくデータと根拠に基づいて物事を判断するタイプです。「なんとなく良さそう」という提案にはまず懐疑的。
このタイプを説得するなら、事前に資料を用意するのが一番の近道。口頭での説明だけでは納得しづらく、グラフやデータを添えると一気に態度が変わる。逆に言えば、根拠さえ揃っていれば最強の味方になってくれるタイプでもあります。
「慎重すぎる」と見られがちなのだけれど、チームにアナリティカルタイプがいると、勢いだけで突っ走って失敗するリスクが大幅に減る。地味だけど確実、縁の下の力持ち。信頼関係を築くには、約束を守ること、情報を正確に伝えること、曖昧なことを断言しないこと。誠実さが最大のコミュニケーションツールです。
▶実際はミックスタイプがほとんど
ここまで4タイプを紹介しましたが、実際に「完全にひとつのタイプ」という人はほとんどいません。状況によってドライバーになったりエミアブルになったりするのが普通。
仕事ではドライバーモードだけど、家族の前ではエクスプレッシブ。友達といるときはエミアブルだけど、専門分野の話になるとアナリティカル——場面によってモードが切り替わるのが自然です。
大事なのは、相手が「今どのモードにいるか」を観察すること。そのうえで自分のスタイルを少しだけ寄せてあげる。完全に合わせる必要はなくて、10〜20%寄せるだけで体感的なコミュニケーションの質が変わるから不思議なものです。
自分のベースタイプを知り、相手のタイプを察する。たったそれだけのことなのに、なぜか学校では教えてくれない。